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Fig.4.Evaluation image with social environment item

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(4)物理的、生物・化学的環境の総合評価
物理的および生物・化学的環境度の総合評価は、それぞれの項目の重み付けによる加重平均、ΣT(I)およびΣB(I)により行うが、個々のT(I)およびB(I)の与え方については、合理的なパターンを示すように今後の検討を要する。
そして、ΣT(I)およびΣB(I)が、各海域にあてはめた場合に納得の行く値になるようにしていく必要がある。個々の評価値のウェイトはT(I)、B(I)のいずれにおいても、その合計が1.0になるように設定し、ΣT(I)、ΣB(I)の値が-1.0〜+1.0の間に収まるようにすることが妥当であろう。
また、T(I)の項目およびウェイトの設定にあたっては、ΣT(I)とΣB(I)の間の相関が高くなるようする必要がある。
(5)底質の有機汚染と開口度からの評価事例
昭和60年に(社)日本水産資源保護協会によりとりまとめられた「底質改良事業実施指針」には、全国の10の湾について、底質の有機汚染指標(COD、強熱減量等のデータを合成して求められる値で、同協会が水産用水基準のなかで底質の基準としている指標)および湾の面積、容積、開口度等の物理的データが納められている。ここでは、これらのデータのうち有機汚染指標の湾ごとの荷重平均値を生物・化学的環境度の指標に、開口度を物理的環境度の指標に置き換え、両環境度による湾の類型化を試みた。

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各湾毎のそれぞれの環境度は、その数値が正規分布するものと仮定し、平均直と標準偏差から求めることとした。実際の運用にあたっては、Fig.2〜4にあげたような各項目毎に、その数値の分布状況に応じた算定方法を設定し、重み付けを行うことになるが、一般的な方法として下記のような式を用いることが考えられる。
今回はサンプル数少ないため、生物・化学的環境度については、下記の式に示すように右辺の分母を標準偏差σとして、数値が−1〜計1の間に広く分布するよう調整したが、物理的環境度の式に示すように2σを分母とすれば、約95%が−1〜+1の範囲内に収まるので、この前後の値を用いるのが妥当であろう(範囲外の数値は−1または+1に丸めればよい)。

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Table 3. Environment degree on each bay

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Fig.5. Environment type of the bay

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4−3. ベクトル評価モデル(第二段階)
(1)対象海域の環境指標
昭和52年から57年にかけて全国の海域においてCOD、強熱減量、硫化物質の3項目について、それぞれ汚染度を大、中、小の三段階に分けた汚染面積が調査されてい

 

 

 

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